風来坊

スーパーフライの風来坊のレビュー・感想・評価

スーパーフライ(2018年製作の映画)
3.0
若くして成り上がった麻薬密売人は豪勢な生活を謳歌していたが、些細なトラブルにより命を狙われ稼業から足を洗う事を決意する。引退前の最後の大仕事を実行するが、それが血で血を洗う激しい抗争を招く事となる…。

1972年にカルト的な人気を得たブラックムービーのリメイク作品。
オリジナルは映画の評価というよりサントラが絶賛されたほどで、音楽が非常にカッコ良かった印象があります。(内容はほとんど覚えていない…)
監督はミュージックビデオで名を馳せた方という事で、主人公の髪型を筆頭に見映えのする衣装や小道具などお洒落な映像にこだわりを持っていますね。

白をシンボルカラーにしたカラーギャングが持ってる銃も真っ白なのは芸が細かい。自分にイロハを教えてくれた恩人をお金の為に簡単に裏切るのはギャングとしての悪どさが際立つ。こういう感じでギャング映画なので主人公もクズ回りもクズ。おまけに警察もクズなので正義を期待するような映画ではないです。

主人公は成り上がった麻薬密売人という割には、チンピラとトラブルになり命を狙われただけで引退を考えるビビりに見えてしまう…。
これまでも危ない橋を渡って来た筈なのに急な心変わり、どうもイマイチ説得力に欠けますね。

上部は羽振りの良い暮らしだったりファッションとギャングのカッコいい部分を描いているが、主人公には一貫性がないし主人公を執拗に追う白チンピラも単なるやっかみで外見はキメていますが、中身はすこぶるカッコ悪く悪の美学を感じません。

スマートフォンだったり仮想通貨が出て来たりとオリジナルを現代的にアレンジしていて良い。
白チンピラには悪役として魅力はないが、悪徳女性警官とその一味が外道で悪役として良い働きをしていましたね。

主人公が追い詰められ抗争と事が大きく動くまでが相当長いが、終盤に一気に加速するバイオレンスとアクションは見応えあり。
四面楚歌の状態から知恵で相手を出し抜く感じも、強引ではあるものの面白いです。

終盤さえみれば良いようなほど回りくどいですが、製作に名プロデューサーのジョエル・シルバーさんがいるのでギャング映画として抑えるところは抑えていて、まあまあ楽しめた作品でした。

まとめの一言
「ギャングはまずは格好から」
風来坊

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