エクストリームマン

ソニック・ザ・ムービーのエクストリームマンのレビュー・感想・評価

ソニック・ザ・ムービー(2020年製作の映画)
3.6
Is the Rock president?

最初の完成版が最早伝説級のキャラクターデザインな映画。『キャッツ』がそのまま行ったところを引き返した勇気は褒められてもいいだろうけど、直ってみると最初のバージョンが寧ろ観てみたくなるから不思議なものだ。

生まれ持った特殊な能力故、常に誰かに狙われ続けている孤独な流浪者としてソニックのキャラクターを再定義したことが、本作の一番「上手い」ところだと思う。ソニックがDr.ロボトニック(ジム・キャリー)に存在を知られるきっかけになる感情の爆発も、独り芝居の果の〜という流れからで説得力がある。ただ、出だしが良かっただけにその後の全体的な鈍重さというか、延々と映画が停滞していくところの退屈さがより感じられてしまうというマイナス?な効果も…

最初からソニック世界のキャラクターたちを全員登場させて、ルーニー・テューンズのアレみたいにしてしまえばよかったのではと思ってしまうが、それではルーニー・テューンズそのままか。。。監督は勿論ジョー・ダンテ。

観客がおいきれないほどの情報量とシチュエーションを詰め込んで、物語も映画ではあり得ないほど切り刻んで、躁病のジャクソン・ポロックみたいなものを作る以外で、ソニックを「それらしく」作ることはできないような気さえする。エンタメ的な均衡の上手いところはどこかにあるのだろうけど、1作目ではそれが全然見つけられていない気がする。