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翔んで埼玉のNEWおっさんのレビュー・感想・評価

翔んで埼玉(2018年製作の映画)
3.0
「埼玉県民は逆に喜んでるだろう!」

「パタリロ!」の魔夜峰央が1982年、当時住んでいた埼玉県を自虐的に描いたギャグ漫画として発表した作品を、まさかの実写映画化。原作は未読だが、埼玉をディスっているようで逆に持ち上げている作風は素晴らしい。

パタリロは読んだこともアニメで見たことあるので前々から思ってたが、魔夜峰央作品てどことなく宝塚ぽいと感じてたんだよな。だからこの実写を見た時、もろ宝塚じゃん、と笑ってしまったよ。てか主人公の百美を演じるのが二階堂ふみだから最後まで実は男の娘と見せかけて女なんじゃないのてのがあると思ってたら普通にボーイズラブだった。まあ、パタリロもそうだったしな。

話としては上でも言ったように埼玉をトコトンディスっているんだが、最終的にはガチで持ち上げているのが埼玉県民愛溢れる作りだと思った。しかし最初はマジでヒドイ。さいたま民に会ったり、地名を言っただけで震えて倒れたりとか失礼にも程がある。

ギャグとしては正直あんまりヒットはしなかったなあ。これは作品全体がひとつのボケみたいなもんだから、そのボケとしては十分インパクトあり面白いんだが、作中の個々のギャグはどうにもイマイチだったな。あ、有名人のくだりは面白かったよ。

パタリロの実写がコケているし、実写向きとしての魔夜峰央作品としてはこの作品が正解なんだろう。ギャグ的には自分には合わなかったが、実写にした実績としては十分あったと思う。