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I AM THE BLUES アイ・アム・ザ・ブルースの海のレビュー・感想・評価

3.9
今を生きるブルースマンたちの生活を映したドキュメンタリー。ジャンルとしてのブルースはもう年寄りの愛好するジャンルになり、死にかけている。それは映像を見てもわかるし、中心となる登場人物のボビー・ラッシュだってもうかなりの高齢だ。だけど、彼らが人種差別が酷かった時代から今を生き抜いた本物の重みはまだ死んではいない。ブルース愛好家とブルースマンの違いをひしひしと感じる。ブルース、それは紛れもない生活、そして人生だ。しかし南部に現存するジュークジョイントの暗さよ。過去の闇の時代を彷彿とさせる。ブルースはそんな闇の中に蠢くものなのかも知れない。

追記:2020年現在もボビー・ラッシュは存命であり、彼の新譜は過去最高を更新し続けているとの評判を聞く。これは聴かねば。バーバラ・リンの現在も気になる。
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