りら

トゥー・リブ・アゲインのりらのレビュー・感想・評価

トゥー・リブ・アゲイン(1998年製作の映画)
4.5
娘を事故で亡くしてから職を離れてしまっていた
ソーシャルワーカーの女性が
同僚から厄介なケースを手伝ってほしいと頼まれ、
そのケースに関わっていくことで
自分の問題にも目を向けて行くストーリーです。

厄介なケースというのが
実の娘を16年間も監禁し続けて
自由を奪っていながら自分の娘を愛しているからだと
いう母親と、監禁されて分裂病と間違われている娘の
親子2人暮らしの家族。

このお話は事実をもとに映画化したと最初に出ていました。
日本でも両親が我が子を人様に迷惑かけるからと
何年も監禁していた事件がありましたが
主人公のソーシャルワーカーの女性が
監禁されてる部屋に入り、人格が壊されてしまってる女性を
見つけた時の気持ちが観てるこっちまでそのまま伝わってきます。
その時から、ケースワーカーの本領を発揮していく主人公ですが
被害にあってる女性と亡き娘の姿を重ねて考える部分もあります。
ケースの母親は、何度も「私にはわかる。姉も同じ症状だったから
娘も病気で、外に出したら迷惑がかかるから。
娘の為だ。私の娘だ。」というセリフを言いながら
執拗に付きまといます。

事実に基づいた物語ということで、ほんとリアルに
そうなんだろうなと感じられます。
勉強になりました。

長年、監禁され自由を奪われ暗い部屋にいて薬づけに
されたからおかしくなっているのが母親や周囲の
医療者にもわからないなんて
不思議です。

おかしな奇声がしても、他人の家のことだからって
関わらないようにしてる近所の人々。

おかしいと感じたら何か行動を起こしたいですよね。
幼児虐待なども、家族の中の問題に他人は口出ししにくいけど
見て見ぬふりしてたら救えた命が救えなくなるかもって
真剣に考えさせようとしてくれる映画でした。
りら

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