調伏系V魔虚羅

バーニング 劇場版の調伏系V魔虚羅のレビュー・感想・評価

バーニング 劇場版(2018年製作の映画)
4.3
小説家を目指しながらアルバイトで生計を立てているジョンスは、幼なじみのヘミからアフリカ旅行へ行くのでペットの猫を預かってほしいと頼まれる。帰国したヘミに旅先で出会ったベンを紹介されたジョンスはある日、ベンに秘密を打ち明けられ、恐ろしい予感が頭から離れなくなる。

男はある秘密をジョンスに話し、幼馴染は突如として行方を晦ました。身の回りで起きる奇妙な出来事と観客にさえ素性を明らかにしない謎のベンという男の存在。徐々に真相に迫ろうと深みに入っていくジョンスですが、終盤になれども物事の辻褄が合っているようで合っていない。そして、謎が謎のままに収束し迎えてしまった衝撃的な結末、その”業火“は真実さえも全て跡形もなく燃やし尽くす。
本当に謎だらけで終わり、物書きであると自身を紹介するジョンスすら、何かを書いている描写は物語の中に何処にもありません。つまりは不明瞭な結末を迎えたジョンス視点で描かれているこの物語は、その視点すら本当がどうか怪しいということ。それに加え、全編にかなりの数の未回収の伏線も残します。ですが、この謎が本作をただのサスペンスなどでは終わらせず、そのジャンルすら逸脱した傑作に仕上げていると感じます。この映画におけるスティーヴン・ユァンの役どころに関して言及するなら彼にしか出来ない唯一無二のものですね、キャスティングした人本当にナイスです。
調伏系V魔虚羅

調伏系V魔虚羅