すず

バーニング 劇場版のすずのレビュー・感想・評価

バーニング 劇場版(2018年製作の映画)
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わかりたくてたまらない


なんかよくわからない
観た直後の感想はそれでした。

村上春樹の「納屋を焼く」を大胆アレンジした作品だそうですが、原作も短縮版(NHKドラマ50分版)も知らない状態で鑑賞。村上春樹も1度も読んだことない。彼の作品はメタファーの表現が多いみたいですね。

伏線は沢山あってメタファーがあるとちゃんと言ってくれてるけど、わからない。

以下、気になるところ
蜜柑のパントマイム

井戸
リトルハンガーとグレートハンガー
同時存在
ビニールハウスを焼く
ヘミは煙のように消えた
ベンのあくび
ベンが料理を振る舞うこと
無言電話
突然現れた母親
ほかにも色々

夕陽の中、半裸で踊るヘミ。段々夜になりかけるところまである長いシーン。凄くキレイでこの作品の名シーンです🌃💃

ラスト間際に真相と思われるシーンが描かれ、衝撃のラストが。

でも、それすらも納得いかず。あれ?あのシーンは何だったのか?気になることがあって真実なのか妄想なのか境界が曖昧。劇中ずっとそうだった。これは現実?小説?

映画を1回観ただけでは評価できない。わからないことがあってモヤモヤするのに見終わってからこの作品を考えずにはいられない。解釈を探す旅が始まるやつだ。

人を選ぶ映画。退屈に感じる人もいると思う。私は好きでも嫌いでもない。今言えるのはこの作品をわかりたくてたまらない。どっぷり浸ってしまう不思議な作品。







~以下、部分解釈~





ビニールハウスを焼く
これはいなくても良い女性を殺すことだと思う。
ベンがジョンスに近くのビニールハウスを焼く、近すぎて見落としたと言っている。これはヘミのこと。
ベンが「ヘミは煙のように消えた」と言っているが、犯行に及んだということ。


ベンのあくび
金持ち同士のパーティーに招かれる格差のある女性。いきいきと話す女性に対してあくびをするベン。これはターゲットにされるサインと捉えた。つまらない女性、いなくても良い存在。


ジョンスがベンを殺す
ラストにジョンスがベンを殺すがこれは現実ではなく小説だと思った。ヘミの部屋で小説を書き始めたジョンスを窓の外から遠のくように撮るシーン。あれはジョンスが想像を始めたことを意味すると捉えた。ジョンスは父に似ていて、ベンにも似ている。燃やすことへの衝動がジョンスのなかにもある。消えたヘミを"ない"ものにするために決着をつけた。



ヘミに見えてジョンスに見えない猫。ヘミがいなくなりベンの部屋に猫が。ボイルと呼ぶと反応する。これはヘミの猫?
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