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バーニング 劇場版のayaのレビュー・感想・評価

バーニング 劇場版(2018年製作の映画)
3.5
友人に薦められたので観てみた。
村上春樹と言われると、私の理解力が追い付かず読後感の悪さが尋常ではないので、毎回「で?」としか思えない。
何作か読んでみてもそうなんだから、この映画も前半までは「自由奔放で人懐こくて感情の起伏が激しくてでもバックグラウンドがどこか悲しい女の子ね。好きだねーそういう子」「おや、永沢先輩ですか?」なんて思いながら観ていました。
が、ビニールハウスのくだりからはもうそういうことは飛んでいって、どうなるの? あれってもしかして、、、と一気に引き込まれました。
ラストの解釈は数あれど、ふんわりぼんやりうやむやにせず、むしろ原作の意図とは逆に見せてでも結末みたいなのを見せるのは(意味はなくとも)満足感があって精神衛生的によいので好き。

以下、私の頭ではまとめられないので箇条書きで思ったことを。
・パントマイム=あると思うのではなく、ないことを忘れる。ふむ。そこにみかんはないのに、皮を剥き食べる=そこにヘミはいないのに、探して○○する。
・井戸も北側のアパートも光=希望が少ない。
・マジでブスだな=ジョンスは信頼できる。
・ベン役=谷原章介だけだとキラキラすぎるので真田広之を足して少しだけ凄みを出し、最後に中国系っぽい目元のキレをプラス。ベンの立ち位置というかこのお話での役どころををよくもまあここまで現せたものだと思う。ファッションもまあしゃらくさくていけすかないの極地。そして仕草まで完璧。あのメイクシーンはそうそう撮れないでしょ。
・文学作品様はどうして女の裸踊りに崇高な意味合いを持たせたがるんだろ? サロメかよ。恥ずかしくてここだけは無理です。
・ジョンスの言う愛ってどうなんだろう。そんなものか。そんなものでないと世の中こんなに結婚しないか。愛についても、ありもしないのにないことを忘れているのか。
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