バーニング 劇場版の作品情報・感想・評価

「バーニング 劇場版」に投稿された感想・評価

ryac

ryacの感想・評価

4.3
待ちに待ったイ・チャンドン最新作!!

開放的なのにどこか狭苦しい印象を与える舞台のロケーション、何が嘘で何が真実かわからない登場人物の言動、息を呑むような無音演出や不安感を煽られる音楽やカメラワークなど、常に得体の知れない緊張感が走っていた。

ミステリーの体を成していながらもことの真相を視聴者には決して教えてくれない構成であり、否が応にもずっしりとした余韻を与えられる。
そもそもジョンスは本当に小説を書いていたのか?
ベンは本当にビニールハウスを燃やしていたのか?
結局ヘミは最後どうなったのか?
など、見終わったあとにも疑問は尽きず。かといって難解すぎて意味不明というわけでもなく、判断の余地は断片的に残す絶妙なバランスを感じられた。

もう1回見たいけど、チケット取れるかな…
やっぱり、村上春樹の作品は僕には合っていないようだ…
小説家としての実績とは間逆に、恐ろしいぐらい映像化作品が少ない村上春樹。唯一観た「ノルウェイの森」の出来もなかなか厳しいものがあった。

そんな中、韓国製作による「納屋を焼く」の映像化作品が誕生した。それがこの「バーニング 劇場版」なのだが、驚くぐらい面白い。今考えてみると、日本語の巧みな表現が魅力の村上春樹作品に対する僕達日本人のこだわりは非常に強く、日本語で映像化された作品では、活字を台詞という音声に置き換える行為自体を受け入れる事が出来なかったのかもしれない。本作の台詞は韓国語で、舞台も韓国という事で、僕達日本人と春樹作品を繋いでいた一番の絆を断ち切った所から生まれているので、春樹作品でありながら、一歩距離を置いた状態で観る事ができ、それが良い結果に繋がったのではないだろうか。

また、台詞の要旨は日本語字幕で理解する事になるので、小説を読む感覚に近い事や、ストーリーが原作と大きく異なる事も、良い方向に作用したと思う。

男2人と女1人の三角関係を描いたミステリアスな作品で、比喩的な描写が多いので、ストーリーを中心に追うとストレスが溜まりそうだけど、「そこに蜜柑があると思いこむんじゃなくて、そこに蜜柑がないことを忘れればいいのよ」を筆頭に好奇心をくすぐる台詞が多く、役者の印象的な表情も含めて、瞬間瞬間の魅力に引き込まれた。
Nozomi

Nozomiの感想・評価

2.5
村上春樹はあまり読みません。
くどいな、と感じるから。

でもスティーヴン・ユアンが観たくて!
最高にかっこよかった!
好きすぎる。
おもしろい画しかなかった。
特に前半、美しすぎる。
シナリオは、もう少し彼に対する疑いを観客と共有できればラストもテーマも伝わりやすい気がした。
もちろん疑える要素はたくさん散りばめられてるんだけど、世界は謎で父と同じく怒りにまかせて短絡的な行動に、ってあの情報だけだと、主人公はなれても観客はまだなり切れない。
全人類に捧ぐ。
僕らはきっと、街の叙景も手に入れる。暁光だって掴み取る。
でもきっと、世界を知るにはまだ早い。
タカミ

タカミの感想・評価

3.5
『オアシス』のイ・チャンドン監督。村上春樹の『納屋を焼く』が原作のミステリー。
存在しているけれど存在していないようなもの。
存在していないようで存在していたもの。
この2つが目の前から消えてしまうことで喪失として改めて存在を知らしめる。
おわかりいただけただろうか。
ジャズが流れ哲学的で芸術的なシーンの数々。
大幅なアレンジを効かせ原作とは違うらしいが、監督が村上春樹を好きな気持ちはよく分かる。
ジョンスは自分の意に反して大切なものを消された怒りが父親とベンに重なり、また存在しているけれど存在していないようなもののヘミと自分が重なり、バーニング🔥したのであろうか…🤔
実際のところは分からないまま。
んーミステリー。
こういう高尚な作品ではなく、もっと人間がギュッと濃縮した監督ならではの作品が観たかった!
村上春樹原作とは知らず、評価の高さとパッケージに惹かれ手に取りました。スティーブン・ユァンも出てるしね。

作家を目指す夢とその日暮しの現実の狭間を彷徨う青年はある日幼馴染と再会し身体を重ねた。
彼女が海外旅行に行く間も彼女の家で猫の世話をし、彼女を想い恋にふけり自慰にふける。

帰ってきた彼女の横に立ちたい、その願いはあっさりと砕かれる。それでも想いは降り止むことなく、次第に疑惑が出てくる恋敵。

2人の距離を勘繰る青年は自身と2人の距離も測れずに、そして思い込む。距離は測れなくとも違いは手にとるように分かり、そして思い込む。思い込みは人の外側を強くするように見えるが、実は内側は伽藍堂なんだ。

根拠もないまま青年は突き動く。
それが崩れた時のことなど分かろうとしない。
Keisuke

Keisukeの感想・評価

2.8
行間や詩的なところが結構多くて、辛くなってしまった。一言でいうと長い。
好き嫌いの話だと、そんなに好きではない。
ARAN

ARANの感想・評価

4.0
この世の中は謎。最後まで真実は分からないけれど男は彼女を探すと同時に自分も探した。黒澤明の羅生門と似たような印象を受けた。世の中に真実なんかなくて、絶対的な善悪なんかなくて、確かにあるのはそこにいる自分だけ。映画の全体的な雰囲気が最高。ストーリー全体をミステリーとして解釈するならそれはそれで面白いんだけど、この作品にはもっと深くもっと暗いなにかを感じた。
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