とぽとぽ

ピータールー マンチェスターの悲劇/ピータールーの虐殺のとぽとぽのレビュー・感想・評価

3.0
自由を!マイク・リー監督の変わらぬ怒りと情熱は映画化するに際してこのスケール感が必要であった19世紀のドラマにおいても時に作品それ自体を圧倒するほどに強烈。舞台劇のように会話セリフ量も多いけど、それもまた今日の政治・状況に置き換えられる痛烈さ。人間としての権利・尊厳、民衆に立ち上がれと火をつける表現の可能性と責務。幾分仰々しく説教臭くも、作り手の強迫観念的熱量を感じる作品はどうしても引き込まれてしまうようなものがある。この上なく明確な意図・意志を持って行動を起こしていることがヒシヒシと伝わってくる、騒がしいほどの初志貫徹。本気度合いが違う。その妥協なき製作姿勢が表れているように尺も長く、そこにはここぞとばかりにシンプルな言いたいこと伝えなければならないことが溢れ刻まれている。僕たち観客の胸倉を掴んでは激しく揺り動かし、目を覚まさせては問い掛けてくる断罪。そして物語はそれぞれの思惑が絡み合いながら虐殺へと向かっていく。終盤を占める広場での虐殺シーンは圧巻。けど、それ故にキャッチーさ・取っ付きやすさみたいなものは無く、これは授業とかで見させられたら間違いなく眠ってしまうやつだな。

「大人が光を恐れたら、それが悲劇の始まりだ」自由か死か!自由と忠誠「武器は必要ない」投票による選挙を!「あんたの主張は何度も聞いて聞き飽きたよ」「声を上げ続ける、沈黙しないぞ」恥を!恥を!恥をしれ!
とぽとぽ

とぽとぽ