このレビューはネタバレを含みます
原題 “On the basis of Sex” からもわかる通り、法における性差別の撤廃に奮闘した女性ルース・ギンズバーグの物語である(邦題はわかりにくすぎ)。
「法は天候に左右されないが、時代の空気には左右される」(A court ought not be offered by the weather of the day, but will be by the climate of the era.)
上記の言葉がこの映画の全てを表している。近年も多様な性を求める動きが活発であるが、ジェンダーの運動の核心となるのがルースのこの運動だったことが体感できる。
そしてこの言葉が我々の救いにもなるのだなぁと感じた。「変化」は常に求められていることだが、それを先導する者たちがいなければ変化はしないのだろうと強く感じた。
その点でルースは夫マーティンという最高の理解者がいたことがやり抜けた源なのではと思えた。
初めはあまり展開が読めず、面白さを理解することはできなかったが後半になって何と戦いどういう状況にあるかがわかるようになりのめり込んでしまった。
最後の裁判はこちらもその場にいるような臨場感を与え(演技が自然!)非常に面白かった。
社会システムが変わる瞬間を捉えた本映画。次の世代が我々であることを認識し、ただ怠慢に生きないよう社会に関心を向けないとなと思った。
疑いと変化を恐れないマインドを作る良い映画でした。
<作中の偉人の名言>
“Reasons is the Soul of the law.”
- Thomas Hobbes
「理性こそ全ての法の魂とな」
- トマス・ホッブス
“I ask no favor for my sex. All I ask of our brethren is that they take their feet off our necks.”
- Sarah Grimké
「私は女に何も望まない。女の足を引っ張るなと男に言いたいのだ。」
- サラ・グリムケ