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ビリーブ 未来への大逆転の福福吉吉のレビュー・感想・評価

ビリーブ 未来への大逆転(2018年製作の映画)
3.5
ルース・ギンズバーグ(フェリシティ・ジョーンズ)は法曹界での活躍を志して法科大学院で優秀な成績で卒業するが、女性という理由だけで法律事務所での雇用を拒否され、やむなく大学教授として男女平等の講義に力を入れる。そんな中、夫マーティン(アーミー・ハマー)から男性であるとの理由で介護費用の所得控除を拒否された事件を教えられ、ルースはその事件に法律の性差別是正への道を見出し、その弁護を買って出る。

実話に基づいた作品であり、1970年というそう古くはない時代にこれほど性差別があったのかと驚きました。

重いテーマではありますが、極めて淡々と描かれていて、極端に嫌悪感を抱かせるような描写が少ないため、観やすい作品だと思います。

ストーリー前半はルースの性差別に遭い続け、目指す道が閉ざされていく流れは淡々と語られていきますが、本当に酷いです。ただ、救いだったのはルースの夫マーティンはルースの考えを理解し、応援してくれる存在だったことでした。目指していた弁護士への道を一度は諦め、教授という道に進むのは苦渋の選択だったと思います。

ストーリー後半、ルースの夢を理解していたマーティンがルースに再度、夢に踏み込む道を開いた様子は観ていてとても熱くなりました。それでも法廷での実務経験のないルースが初の法廷で意見することは想像できないくらい厳しかった。それでも最後のルースの弁論はとても素晴らしく、心に響くものでした。

また、ルースの娘ジェーン(ケイリー・スピーニー)の存在が特徴的で、性差別を受け続けてきたルースにとって、女性の権利を堂々と主張するジェーンの姿は時代の変化を感じる存在そのものでした。ルースに反抗的だったジェーンの考え、それを理解することにルースも時間がかかったんだと思います。だからこそ理解し合えたときに生まれた母娘の絆は素晴らしいものでした。

とても観やすくて、良い作品だったと思います。

鑑賞日:2022年11月12日
鑑賞方法:Amazon Prime Video
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