ゴトウ

ジュディ 虹の彼方にのゴトウのレビュー・感想・評価

ジュディ 虹の彼方に(2019年製作の映画)
3.5
『ボヘミアンラプソディ』『ロケットマン』に続く…みたいに宣伝されていたけれども、ジュディガーランドについてさほど多くを知っているわけではなかったので、事実と違うんじゃないか?とかはあまり気にならず新鮮な気持ちで観られた。レネーゼルヴィガーは輝きを失ったスター役似合ってたけど、なんかちょっと顔崩れてないか?似合いすぎてて心配になった。

ベタに破滅型のスターだから、ジュディを主役として美談風にまとめられている陰では(作中で十分描写されているそれ以上に)かなり多くの人を苦しめ、悲しませ、迷惑をかけまくっているであろうことは想像に難くない。ジュディ美化のために、かなり恣意的にスポットを当てられているゲイのカップルの扱われ方は、正直どうなんだと思わなくもない…けど、やはり誰かのファン側の気持ちはめちゃくちゃわかってしまうので、ジュディと会話(どころかそれ以上の交流)をして感極まってしまう場面はこちらもウルっときてしまった。

子ども、夫、仕事を次々失っていくジュディは確かにかわいそうだが、自業自得と言えなくもない。お子さん、興行主、ひどいステージの日のお客さんはジュディのこと嫌いじゃないかな。もとを正すとスパルタ子役スター育成(ここの描写が怖い)を受けた幼少期で歪んでしまったとも言えるから、ショービジネス界の歪さも生々しかったりする。だけに、故人美化、往年のスター美化の極みとも言えるラストシーンには、そこふわっとしたファンタジーで包んじゃっていいんですか?!と思わなくもない。ステージに物投げるお客さんがいる日と、詰まったジュディのために合唱するお客さんがいる日の差がありすぎ!そこでまた持ち出されるのが例のゲイカップルというのもどうなんだろうなぁ…。ひどいステージの日に来てたらどうなってたんだよって話じゃん。まぁ泣きましたけどね。曲が良いからズルいです。
ゴトウ

ゴトウ