実話を元にした映画には２種類あると思う。愚かな誰かを糾弾したい映画と、尊敬する誰かを共有するための映画。最近、前者が多いような気がするけど、この場合は話半分、無条件に全てを信じないようにしている。作者の憎悪と共にダークサイドに堕ちるつもりはない。後者の場合は、無条件に200%信じる。愛に満ちた嘘は、いつだって許されるんだから。
ジュディ・ガーランドが、どういう人だったのか、本当のところは分からない。彼女が出演している映画も殆ど観たことはない。オズの魔法使はテレビで観たような気がするけど記憶がない。でも、この映画の中のジュディは、愛して止まない特別な人だ。あの時のロンドンにタイムスリップしたい。そして、あのカップルと一緒にステージを堪能したい。しかし、あのオジサン、歌、上手かったなぁ〜。
虹の彼方には夢の国がある。自分には足りない何かが、そこにはある。そこでは生きるための知恵を授かり、無償の愛が芽生え、そして愛する人のために闘う勇気が持てるようになる。ジュディ・ガーランドは、そんな魔法を沢山の人に与えていた。戦争で全てを失った人達に希望を与える女神だった。あの時、ジュディはどこまでも輝いていた。スクリーンの中の彼女はいつだって輝いている。また、会いに行こう。
