「オズの魔法使」のドロシーを演じた、
ジュディ・ガーランドの晩年を描いた本作。
薬物、アルコール、男性問題…
ジャニス・ジョプリンの破滅型の人生を描いたローズと重なった。
ジュディが専属契約していたMGMは、
子役の頃から太ることを禁じ、覚醒剤を常用させ、睡眠を削ってまで働かせていた。
こんなことが当たり前だった時代もあるなんて信じられない。
そりゃ、10代から薬漬けにされたらおかしくもなるよね。
奇行ばかりが取り上げられるけど、
こういう裏側を知ると、意思の弱さが問題なのか?と悲しい気持ちになった。
【見所】
★ジュディの才能を見事に表現した
レネー・ゼルウィガー圧巻の演技。
特に終盤のOver the Rainbowの歌唱シーンには鳥肌。
リハーサルの1年前からボイトレに入ったというだけあって、ジュディの人生の輝きを表現した本当に素晴らしいパフォーマンスだった。
★同性愛カップルとの交流シーン。
現代のようにLGBTQに寛容でなかった時代に理解を示していたジュディ。
史実に基づくものかわからないけど、同性愛者のシンボルとも言われているジュディを表す象徴的なシーンになっていると思う。
昔はゲイを示す隠語として「FOD=Friend of Dorothy(ドロシーの友達)」という言葉が使われていたり、
レインボー・フラッグ(LGBTQのシンボル)は、「オズの魔法使」の楽曲「Over The Rainbow / 虹の彼方」に由来するとも言われている。
【余談】
実は観終わるまで、70歳くらいで亡くなったのかと思っていたんだけど、なんと47歳没とのこと。
レネーの演技によるものなのだろうけど、そのくらい首が前に出て腰が曲がり、筋が目立つ体は年老いて見えた。
あとで調べてみたらやはり亡くなった時は、ドラックとアルコールで老人のような体だったそう。。
細部にまで拘ったレネーの表現力に脱帽。