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ジュディ 虹の彼方にのJIZEのレビュー・感想・評価

ジュディ 虹の彼方に(2019年製作の映画)
3.3
ハリウッド黄金期のミュージカル女優"ジュディ・ガーラガー"の稀代な晩年が描かれる。さすがオスカーの芝居、当然の手ごたえを音楽シーンから感じ取れる。とくにジュディを演じたレネー・ゼルウィガーの歌唱力やそのたたずまは目を見張るもので、"エンターティナー"としても神格化するような芝居で役柄と同化している。「オズの魔法使い」でスターダムへ駆け上がった彼女が後年は薬物・アルコール依存で生活が荒れ再起をかけて奮うプロットも王道のスター再興ものとして韻を踏んでいたように思う。良くも悪くも物語は極めてフォーマルで既定路線をゆく。無垢な美しさと歌声の強靭さが聴くものを魅了させ世界を席捲したのだろう。苦言を強いて云えばドラマ要素の厚みがやや物足りないが、ジュディ本人の人生の過酷さを重く痛感させる映画だった。
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