歌もダンスも弾けているから、最後まで楽しく見ていられる。はずなのに、終始、どこか気持ち悪さが拭えなかったのは、駄菓子屋のラムネみたいに安っぽいパステルな色調に、薄ら寒くてこそばゆいオーバーアクションが重なっているせいか。
気持ち悪いのはゾンビじゃなくて、白人連中のルックスの方。ゾンビはゾンビで頭からチョークの粉をかぶったみたいで気色悪いけど。パンクなキョンシーみたい。
要するに、全体的にキレイ過ぎるのがキモチワルイ。業務用の漂白剤とかキッツい消毒液で洗浄した感じ。
ゾンビである必然性も全くなくて、プエルトリカンに変えたら、まんま『ウエストサイド物語』だし。
とかいちいち言い出すと、ダンスも何だか気持ち悪くなってくる。眩いばかりのカラ元気が目に刺さって神経を逆撫でする。すべてにおいてウソ臭い。
根本的に、お子さま向け「多様性の教則本」みたいな偽善臭が癇に障るのかも。
そもそも、ゾンビに対して失礼(ゾンビに象徴されたマイノリティに)。マジカル・ニグロならぬマジカル・ゾンビ。スパイク・リーに見せたらガッツリ「噛みつかれる」レベル。