風来坊

タイクーン!の風来坊のレビュー・感想・評価

タイクーン!(2018年製作の映画)
4.0
タイの国技ムエタイの猛者と中国拳法の猛者がタッグを組み、ギャング相手に仇討ち戦いを挑むアクション映画。

主人公役の俳優が中国の俳優シン・ユーさんにに似ていました。中国拳法の使い手のヒロイン役の女優さんは飛びきりの美人という訳ではないけど、親しみやすい感じでとても可愛くカッコいい。危険なアクションにも体当たりで挑戦しています。

アクション作ではコメディ部分もかなり占めます。とはいえコメディアクションかというと難しい所で、基本はシリアスで箸休め的にコメディを挟む感じです。

悪党と主人公の関係の説明の仕方などストーリー構成が雑で分かりにくくしてしまっているのが残念。脈略もなく急に始まる悪党側の話しなど唐突過ぎて「何?」ってなってしまう。主人公と悪党との因縁の説明も遅すぎて話しにイマイチ乗れない。序盤が観客を引き込む大事なポイントなのに…。

邦題のタイクーンは実力者や大物という意味なので作品には合っていないですね。付けるならタイ映画の熱量と熱帯低気圧を掛けてやっぱりタイフーンがしっくり来ると思います。

この手の映画の修行シーン好きとしては、じいさんとの修行シーンはテンションが上がる。ただ悪党からの差し迫った脅威が伝わって来ず、何のための修行かがイマイチ表現されていないのが残念。修行シーンを入れるならもっと後半の方が効果的と思う。

アクション満載な映画かと思いきや、冒頭に見応えあるアクションが展開されてからは長い時間目立つアクションシーンはありません…。
後半からやっとエンジンが掛かり、キレの良い格闘アクションを見せてくれます。アクションの見せ方が雑な気もしますが、逆に荒々しい感じでパワフルな部分が出ていて良い感じ。

演者の動きもキレていて流石に格闘アクションに定評のタイアクションだなと思います。アクションのバリエーションもなかなかで京劇とタイの踊りを合わせた物や、いがみ合いながらの戦いや棒の取り合いながらの戦いは面白かったです。

ムエタイとカンフーがタッグと聞いて、アクション好きの私はスゴく期待して観た本作。説明や展開に大雑把な所と唐突に心の声を入れたりの謎演出は気になりますが、アクロバットでスピード感がある危険なアクションシーンは見応え充分。アクション好きの私はなかなか楽しませて貰った映画でした。
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