まりぃくりすてぃ

幸福なラザロのまりぃくりすてぃのレビュー・感想・評価

幸福なラザロ(2018年製作の映画)
3.2
myオールタイム1位『ブラザーサン・シスタームーン』(超越チャンピオン作の『ローマの休日』を除いて)を真似たハンパ映画だったら恕さないからねッ、と危惧してたが、さほど共通点はなかった。狼との仲介云々は、イタリアの守護聖人フランチェスコの伝記をやっぱり想わせたけど。
さて、本作は “二回死んだ猫” っぽい話だ。定義的にファンタジーじゃない。メルヘンと呼ばなきゃね。

で、前半は、❶真面目な内容 ❷美キャストと美風景 ❸社会問題直視・・という3要素がそのまんま宝石で、グルジア(ジョージア)映画の平均値に匹敵する出来と思えた。西ヨーロッパもやればできんじゃんと。

が、清いラザロが死んで清いラザロⅡが現れてからは、実り少ない不思議映画に堕したかも。いかにもイマドキのユーロな風格(撮影とか演技演出とかのオトナげたっぷりな確かさ)といかにもイマドキのユーロな独善性(洗練さの衣をかぶった本質ずれシナリオの幼稚さ)の混ざりによって。。
タンクレディという男が永く消えすぎてたのは賛成できない。変に再会しちゃった後のちまちまな展開も、面白くはあるが心地悪さを超えてくる寓話的教訓とくになし。チワワ長生きしすぎ。
ラストこそ最も凡庸。

駄作ではない。