砂

幸福なラザロの砂のレビュー・感想・評価

幸福なラザロ(2018年製作の映画)
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すごい。どのような作品かあまり知らないで観たが評判に違わぬ作品だった。
途中からトーンが変わってきて寓話のようになり、キリスト教の何かを下敷きにしているのだろうとは思ったが鑑賞後に調べていて納得である。それを知った上で観るとまた違ってみえるだろう。「音楽が去る」シーンは印象深い。

格差をテーマに社会問題などを描く名作は特に近年は非常に多いが、本作は聖人・ラザロを主軸に人間社会における搾取構造や理不尽を巧みに描いており、より普遍的な名作として時間の洗礼に耐えうる作品であるように思う。
聖人や奇跡の不在、神秘の消滅というテーマは個人的に非常に思うところがある。
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