善人を超えて聖人のお話。
お人好しで働き者で人の話を断れず何でも手伝ってしまう優しすぎるラザロが仏にしか見えなくて応援したいを超えて養いたくなりました。
隔絶された村だけどタンクレディの服装とか見るともう時代すら違うんじゃないかって生活してた。
でも前半は伯爵家とニコラにイライラしながらも好きなシーンがいくつもありました。
犬に食べ物あげるのに食べてくれないところとか血判お願いされてすぐにいいですよって言っちゃうところとか最初のオオカミの鳴き真似するところとか。
とにかく純粋で優しい。
でもオオカミに起こされるところすごい緊迫感あった。
タンクレディと兄弟のように仲良くなって何となく展開想像したつもりだったけど全く違った。
まさかの展開だったし聖人は生命や時をも超えるのね。
後半もラザロは変わらず善善善人。
泥棒しっかり手伝ってて罪の意識もなくただ人助けをしてた。
ニコラくそウザかったけどざまあみろって思って人生逆転かと思いきやそう簡単なものでもない。
みんなは犯罪に手を出してギリギリの生活。
俺もタンクレディを1度信じてしまったけど伯爵家は崩壊していた。
まあ当然の報いな気がするけどね。
せっかく運命的な再会だったのに。
幸せに転向するからと思ったのに。
でも音楽を連れてきて聖人的な力を発揮していたし彼らに笑顔が戻っていた。
善人は自分を幸せにではなく他人を幸せにするんです。
そう思うとラザロはずっと周りに笑顔や幸せを与えていた。
それなのに彼に感謝する人ってほとんどいなかったな。
彼はありがとうと言うのに他の人は彼の優しさを受け入れもしないことすらある。
唯一そこが違った人がタンクレディだったかも。
そんな兄弟とも思っていた彼の行動を信じたくないラザロの涙は全てを物語っているようだった。
それでもラストは見捨てない優しさで動いているのに周りからの対応に何て人間は愚かなんだと思いました。
ラザロほど純粋な人間はいないのに。
幸福なラザロかもしれないけど幸福を与えるラザロでもあった。
善人は幸せを自分のためだけに考えることはないのかもしれない。
またどこかで蘇っているだろうか。
次の人生はさらに幸せであることを願う。