風の旅人

COLD WAR あの歌、2つの心の風の旅人のレビュー・感想・評価

COLD WAR あの歌、2つの心(2018年製作の映画)
4.5
音楽舞踏学校の教師をしているヴィクトル(トマシュ・コット)は、オーディションにやってきたズーラ(ヨアンナ・クーリグ)を一目見て恋に落ちる。
ヴィクトルにとってズーラは「ファム・ファタール(運命の女)」であり、それ以降ヴィクトルは自由奔放なズーラに翻弄されることになる。
一般的に「一目惚れ」は女性よりも男性に多い現象だと言われている。
男性が一瞬で恋に落ちるのに対し、女性は恋に落ちるまで時間を要する(ここに男女の温度差が生まれる)。
恐らく先に恋に落ちたのはヴィクトルで、ズーラはそれほどでもなかっただろう。
しかしヴィクトルと逢瀬を重ねる内に、少女の顔をしていたズーラは、美しい大人の女性へと変貌していく。
特に胸の谷間を強調したドレスを着たズーラが、音楽に合わせてダンスを踊るシーンには見惚れてしまった。
二人が画面の奥に消え、タルコフスキーを彷彿とさせる風にそよぐ田園風景を映したラストカットが、愛の残響としていつまでも鳴り響いた。
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