こまだこま

COLD WAR あの歌、2つの心のこまだこまのレビュー・感想・評価

COLD WAR あの歌、2つの心(2018年製作の映画)
3.8
全編モノクロームの世界の中紡がれる愛の物語。冷戦下という社会的な出来事に揺さぶられる恋愛で、リアリティーが感じられた。白黒の映像が彼らが生きている社会全体の冷たさを効果的に表していたと思う。そんな冷たさを感じさせる画面の中、作品に彩りを添えていたのが作中のピアノの音色と歌声だ。無彩色の世界でも、奏でられる音と歌、それらに併せて踊られるステップから華やかさを感じた。
あとは、惹かれ合う2人の距離感ももとてもリアル。歳月を重ねる中で時に離れたりまた近づいたりを繰り返す2人の結びつきがこれまたロマンチックで良い。そして相手に囁く言葉やセリフは少なくて、ただ黙って強く抱きしめる-ここに相手を想う気持ち全てが込められていると感じた。わざとらしい台詞が無いところが個人的にとても好き。物語のラストと余韻の残し方も素敵だった。
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