フクイヒロシ

COLD WAR あの歌、2つの心のフクイヒロシのレビュー・感想・評価

COLD WAR あの歌、2つの心(2018年製作の映画)
4.0
映像と音楽が本っっっっっ当に素晴らしい。
いやぁほんとに良い音だったなぁ。
同監督の『イーダ』も観てみないとなぁ(絶対寝るだろうけど)。


**


激動のポーランドの歴史を背景に2人の男女が
出逢ってはチュッチュして引き離されて
出逢ってはチュッチュして引き離されて
出逢ってはチュッチュして引き離されて
で、ラストは……という話。


監督の母親をモチーフに作られているようですね。
なので、後半チラッと出てくる赤ちゃんが監督かと。


**


1941年ポーランド
とか
195●年パリ
とか
196●年ユーゴスラビア
とかのテロップがバンと出てから
「てことは社会情勢わかるでしょ」みたいな感じで話が再開するんだけど、
わかんないからっ!



戦前の東欧ってことは大変そうだなとか
戦中の東欧ってことは大変そうだなとか
戦後の東欧ってことは大変そうだなとかはわかりますよ(全然わかってない…)。


でも細かいとこまではわかりませんて。。


**


ってことで一時停止しまして
ポーランドの歴史をWikiってみました。


ポーランドは
他国によって何度も分断され一度は消滅したけど、
1918年に独立。

しかし第二次大戦中、ソ連とナチスドイツにより再び分断。

1945年ポーランドは復活するも、
ソ連の衛星国となり

「社会主義体制への移行に伴い、
密告、監視、言論統制を伴ったポーランドのソ連化が執行され、
政治、教育、文化、一般市民の生活などソ連をモデルに構造改革された」

とのこと。



彼の方はジャズが好きだっただけあって西側に憧れてたから政府から監視されてたし、
ついには亡命したし、
見つかって連行されたし…ってことですね。

なるほど。


**



セカイ系として見ればいいんですね。
監督もそれを望んでいるのかも。

世界ではとんでもないことが起きてるけど描きたいのはこの〝わたしたち〟の物語だ、と。

男の方は強制収容所に入れられたりもするんだから
世界と〝わたしたち〟はめっちゃくちゃ関係してるんだけど
いくら世界が〝わたしたち〟を引き離そうとしても〝わたしたち〟は離れませんよ、と。


それでも世界が引き離そうとするなら、〝わたしたち〟は………




ネタバレはコメント欄に。。





っと、一応書いておきたかったこと。



舞踏団はポーランドの民族音楽を歌い踊る。
それがほんとうに素晴らしい歌声なんですよ。

しかし国内でも評価が高まると
大臣から「指導者のことを歌え」と言われる。

芸術監督は民族音楽がプロパガンダとして使われることに反対するが、そんなもん全く意味もなく、
舞踏団は

立派なお方、スターリン♪

と歌わされる。

拍手喝采。
芸術監督たちふてくされる。





あ、あと
歌のフレーズの最後に
〝オヨヨ〜〟ってのが印象的。

どういう意味かと調べてみると
łojojoj と書くらしい。

翻訳サイトで翻訳すると「喜び」と出てくる。

1秒も喜んでなさそうな歌詞なのでたぶん間違い。

どうやらとくに意味のない言葉らしい。。

そんなことある??
あんなにも情感込めてオヨヨ〜って歌ってたのに、意味ないって。。

でもまぁ日本語のオヨヨ〜も意味ないっちゃないか。

残念しました〜みたいなニュアンスかなぁ。
ポーランドのłojojojもそんなニュアンスかもね。