カンヌ出品時点では自宅軟禁状態に置かれていたパナヒ監督が本作ではそのままパナヒ監督として出演し、現実と虚構の境目が分からなくなりそう。
現在の国民的女優、「芸人」なんかなるなと田舎で居場所がない女優志望の女性、革命前に活躍しており今は世間を恨み狭い家に暮らす元女優の3人の女優の物語。
Q&Aで主演のジャファリさんが「これは女優への偏見というより、伝統に縛られた女性への偏見である」ということをおっしゃっていて、もちろん物語としても面白いけど社会的問題を描く作品としても大変意義深い作品。
女性映画であると同時に「田舎怖い映画」の一種でもあるのが面白い。
ただ、ラスト付近が流れで終わってしまったような感じで少し残念。革命前の元女優にはもう少しアプローチするべきではなかったのかなーと。消化不良感は残る。