Benito

ブラック・クランズマンのBenitoのレビュー・感想・評価

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)
4.2
【 Blac 'KKK' lansman!!! 】

Dis joint is based upon some fo' real,fo' real shit. → この映画はマジでリアルな話がベースだ...というイントロ。タイトルと併せて、俯瞰で主人公を捉えるショットを観るだけで傑作の風格が漂っていた。

白人至上主義の過激派団体KKK(クー・クラックス・クラン)に潜入捜査するという刺激的な実話。それをスパイク・リーが軽快なタッチとヘビーなメッセージを絶妙にミックスして、立派なクライムエンターテインメント映画に仕上げている。

そして、スパイク映画の常連であるデンゼル・ワシントンの息子ジョン・デヴィッド・ワシントン(テネット主役の)を起用するという巡り合わせも粋。

そしてトランプのアメリカファースト!、ブラックパワー!ホワイトパワー!の対比、ハリーベラフォンテの語り、現実のニュースや大御所ミュージシャンの見せ場などを織り交ぜるセンスもいい。

" 憎しみに居場所なし "


<サウンドトラック>
サントラは全23曲。全てインストゥルメンタル。モチーフとなり何度も繰り返し使われるギターのフレーズをはじめ、劇伴としては手堅い。サントラ未収録だけど映画のエンディングに流れる"Mary, Don’t You Weep "は(故)プリンスが1983年に残したピアノの弾き語り未発表音源集「Piano & a Microphone 1983」に収録されている曲。これはオリジナル曲でなくて南北戦争以前、19世紀から歌われている黒人霊歌。サントラの方はその対象的な形で1曲目が" Gone with the wind "になっているのも、ルーツが南北戦争だからのかも。

更にプリンスのこと、、
プリンスが生前、メリーランド州ボルティモアにて行なっていた活動として2015年4月に現地警官との揉み合いになり、その後護送中に亡くなったフレディ・グレイ少年がいて、プリンスは彼のため"Baltimoreボルティモア"という曲とドキュメンタリーを制作していている。彼の"Mary, Don’t You Weep "も同じようにメッセージ性のあるMVになっていた。
 https://youtu.be/e5-HEBGPzFM
Benito

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