フェニスタ

ブラック・クランズマンのフェニスタのレビュー・感想・評価

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)
4.7
最後まで見て思うのは、、、、


コロラドスプリングス警察署初の黒人警官になったロン。ある日電話をかけた先はまさかの超白人至上主義団体、KKK。白人至上主義の彼らの元に潜入捜査することになる。


これが実話なのが1番びっくりした。デービッド・デューク(KKKのトップ)がまだまだ現役でほざいている事実にびっくり。

紹介では黒人警官と白人警官がコンビ組んでるって書き方されてるけど実際はそこまでオイ相棒〜みたいな描き方はされてない。あんまり深い関係には見えなかったけど、それぞれの仕事を全うする姿がカッコよかった。

ラスト数分の映像で私はアメリカという人種のサラダボールと揶揄される国の悲劇と、人類の未熟さに呆れたし、悲しくなった。

凄い言い方考えるけど、暗くて重い差別映画では無い。あえて言うなら、面白かった!普通に笑えるので見てほしい








以下ネタバレ↓

基本的にはロンの当時の黒人らしからぬ思考のお陰で物語は比較的明るく進むし、バーのシーン、彼らが踊って歌を口ずさむ姿は最高にクールだと思う。でぶっちょのメンバーがあいつら踊りはすげえ上手いよなって言ってたけど、当時からそれは認知されてたんだってちょっと面白かった。
ロンとパトリスの会話の黒人ヒーロー?の話題、作品名と一緒に画像も出てくるのは、監督のついでに見てみろ!って意識が伝わって良かった。置いてけぼりにされるよりずっと良い。

黒人達は彼ら達で警官(白人)をピッグと軽蔑して1人でも私たちを差別するならそう言われても当然でしょと言う。
当事者じゃない私がそれは違うよとか言っても逆ギレされるだろうけど、同じ同胞のロンははっきり「俺はピッグとは呼ばない」と言う。しびれた。

KKKに潜入捜査するためにロンでは無理なので電話でのやり取りはロン、実際の集会には白人警官フリップがロンに成り代わって潜入する。が、実はこのフリップもKKKの差別対象のユダヤ人だった。ロン同様に彼も自分の人種を侮辱しても任務にあたる姿勢が見ていて残酷だなと思った。

フリップがユダヤ人て疑われる度にハラハラしたしあの夫婦キモすぎ特に女ね。
お前のこと誰が好きなん?(粗品)

あの途中でおれは幹部?を辞退するからロンを推薦するって言ってた人唯一まともかなって思ってたけど今考えたら、冷静な方が怖いわ。嫌いだから殺す!の方がはいバカで済んで清々しいけど、まともな頭してて人種差別してる方がやばいよな。まぁ彼は彼なりの理由あったけど

集会みたいなシーンにロンが警備に当たる普通に危なくね?って思ったけど写真のシーンめちゃくちゃ面白かった。フリップの演技クソ上手いな。笑顔で差別主義者の肩寄せるとか勇者で笑った
脅しで触れたら警官への妨害として逮捕だぞって言ってたけど、その警官は信じるのかしら…って思うよねやっぱ危ないわ

ネタバラシのシーンもめちゃくちゃ面白かったしスカッとした。

本当に最後の映像抜いたらスッキリして終わったんだけどそれだとダメなんだよな。
ラストのがあるからこそ問題提起で終われてる。だって解決してないからね。
車のシーンはもう意味わからなかった。あんなスピードよく出せるわ、本当バカなんだな。
不快感が少なからず生まれて終わったのがちょっと悲しいけどしょうがない。これ見てスッキリー!で背筋伸ばせる人はアタオカなので。