リリー

ブラック・クランズマンのリリーのレビュー・感想・評価

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)
4.0
実話だとは驚きました。面白かったです。コメディ色が強いかと思っていたら(時々クスッと笑えるシーンもありましたが)政治的メッセージの強いかなりシリアスな内容でした。劇中の、有色人種への憎しみに溢れたKKK会員たちの思考は論理的とは程遠いもので、サイコパスのものと変わりません。
KKKに黒人捜査官が潜入する話なのですが、黒人だけでなくユダヤ人への蔑視にも焦点が当てられています。また、途中で語られる、過去の黒人少年の白人によるリンチの模様はあまりに残酷で痛々しく、同じ人間が行ったこととは信じたくありません。時代の風潮による集団の圧力とは恐ろしい。
しかし、潜入捜査が9ヶ月もバレなかったとは驚きです。映画上での演出でしょうが、外見的にいかにも「白人」らしくなく髪が黒くて「ユダヤ系」に見える、アダム・ドライバー演じるフリップ・ジマーマンが、ユダヤ人ではないかとKKKに怪しまれるシーンでは、さすがに無理があると思いハラハラしました。
KKKは現在でも活動しているのですが、KKKに属していなくても差別を日常的に行なっている人がどこにでもいることが印象的です。アフリカ系アメリカ人を呼ぶ侮蔑用語が"toad"(カエル)だと知りました。人間扱いしていないということですね。
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