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ブラック・クランズマンのcollinaのレビュー・感想・評価

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)
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伝えたいことが伝わりにくい世の中に。

そのまま現実を伝えたって「うるさい」と取られかねない世の中で、
言いたいことを伝えるのはあまりにも難しい。

そんな世の中で、スパイク・リー監督は映画を信じたし、
「映画館へ足を運ぶ観客ならば」と信じたのかもしれない。

70年代の現実は現在だった。
まだ、十字架は燃え続けている。

手放しでは、面白いとは言い切れないけれど、
随所にちりばめられたユーモアで思わず笑わずにはいられない。
完璧にスパイク・リーの術にはまってしまっていた。

ロンは応援せずにはいられないキャラクター。
愛さずにはいられない。勇気もあり、抜けているところもある。
ジョーダン・ピールがインタビューで言っていたとおりだった。

フリップは、自覚していなかった、目の前にある差別を実感する。
他人事が変わっていく。なんだか、身につまされる思いだった。
「差別」なんて遠いどこかの出来事だと思っていた自分には。

スパイク・リーの魔術で、映画の虜になった直後には
食い入るようにスクリーンを見つめずにはいられなかった。
まだ、火は上がり続けていると。

スパイクが望むのは、パトリスのような至上主義ではなく、
電話を聴きながら笑っているような、
一緒に酒を飲むような、関係ではないのだろうか。

映画には大きな力がある。
少なくとも、私は殴られたような気分だった。
まだ、うまく整理がつかない。

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「風と共に去りぬ」を薦めてくれた母ありがとう

ジョン・デヴィット・ワシントンが最高。
ずっと気になっていた、アダム・ドライバーにも
完全に魅了されました。
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