Hazix

ブラック・クランズマンのHazixのレビュー・感想・評価

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)
4.8
重いテーマを、ユーモアとフィクションを織り交ぜて驚くべき実話のベースに落とし込む脚色の妙。
音楽、ファッション、テンポよく進む物語に身を任せていると、気付けば超ド直球の強烈なメッセージが体を貫いていました✊🏿

かなり観やすくエンタメよりに仕上げつつも、スパイク・リーらしく突然あまりにも酷い史実を突きつけ、現状が変わっていないことに警鐘を鳴らす。ハッとさせられた我々観客はまるでエサに釣られた魚のようでした。

スパイク・リー作品ではお馴染みのドリーショットも、作品中最も謎を呼ぶ何ともアレなシーンで使われていました。

ラストの映像は賛否両論あるみたいです。直接的すぎる映像で目を背けたくもなりますが、伝えたいメッセージの本質はここにあり、スパイク・リーがこう語りかけてくるような気がしました。
「今でも何も変わってない、愛と憎しみの抗争はいつまで続く?約50年前、一つの警察署で異なる人種の彼らが手を取り合いヤバイことができたんだ、今の俺らでもできるはずだ!Do the right thing!」
と。

主人公ロン・ストールワースを演じるのはスパイク・リーの盟友で伝説的な俳優デンゼル・ワシントンの長男、ジョン・デヴィッド・ワシントン。
父親譲りの演技力、カリスマ性を遺憾なく発揮し、複雑な役を演じ上げていて本当に素晴らしかった!
スパイク・リー監督作『マルコムX』で父親と共演し26年経った今、スパイク・リーに起用されての活躍は、大のデンゼル・ワシントンファンの自分にとっては感慨深いものがありました。
Hazix

Hazix