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ブラック・クランズマンのbluemomday0105のレビュー・感想・評価

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)
4.0
絶対に!バレてはいけない!!KKK潜入!!!

序盤からずっと画面の圧が強くて、緊張感めいっぱいの2時間16分。あまりに持って行かれたから、1時間くらいしか経ってない感じ。メッセージとエンタメが両立してるのは素晴らしい。

しかし時折コントみたいなシチュエーションが入るの、何だか既視感あるなと思ってたんですが…わかった、ガキ使だ。
署内では終始半笑いのアダム・ドライバーや同僚のおっちゃんはタイキック喰らっててもおかしくない。

ご存知の通りめっちゃ胃に来るメッセージ性の高い映画なんですが、大型犬みたいなアダム・ドライバーの存在がすごく緩和剤として効いてました。アダム・ドライバーの出てる映画は安心印。
後輩のインテリ黒人警官ジョン・デヴィッド・ワシントン(デンゼル・ワシントンの息子さんらしいですね。屈託ないキャラクターにどこか育ちの良さを感じたのは、持って生まれた血か…)の発案に巻き込まれるのですが。「レイシストになりすますユダヤ人」という複雑な役柄にもかかわらず、どこか困ったように立ち振る舞う様子がユーモラスでもあり。

しかし「グリーンブック」と続くと、「南部名物・黒人差別50連発」って趣で序盤は結構ぐったり…。「黒人は白人の発音を操れない」というくだり、「サーミの血」での「サーミ人の脳は高等な教育を受けるのに適していない」を思い出した…アメリカだけじゃない。

スパイク・リーが言う通り、トランプ大統領やオルタナ右翼に対しての揶揄はあるでしょうが。終盤のブラックパワー/ホワイトパワーの辺り、綺麗に対比するような構成や、白人警官が黒人を「カエル」と呼ぶのに対し黒人も彼らを「ピッグ」と吐き捨てるエピソード。こういう所から何となく前述の言葉だけじゃないのかなと思ったんですが…(続きはコメント欄に書きます)

ただ女性が活動を仕切ってた黒人学生自治会側(リーダー役のローラ・ハリアー、スパイダーマンの生徒会長だった! こちらの方が美人!)に比べ、KKK側は集会が終わるまで妻子を隔離したり、サイコパスのフィリックスの嫁を打ち合わせに入れなかったりしてたんだよなあと。旦那に認めてほしくて、あんなにノリノリだったのに、仲間に入れてもらえたのは捨て駒同様だったもの。
そうそう、KKK側にいる明らかに頭足りなそうなイライラするデブが、「アイ、トーニャ」の嘘松諜報員だったのもびっくり。ああいうサイコパス役独り占めやな。
字幕監修がオオサカモノレールの方だったのもびっくりしました。
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