予告からエンタメチックな内容を想像して見始めたけれど終始ヘビーな内容だった。そりゃそうか、このテーマを茶化せるわけなかった。「まさかの実話」を見落としてた。この作品に限らず予告の作り方として映画の本質とミスマッチな客層をホイホイするのもどうかと思う。
対黒人でも対ユダヤでも、差別の根源には人の心の弱さがあるのだな。
劇中では「WASPであること」のほかに自ら誇れることがなさそうな、冴えない感じの人ほど白人至上主義の理念に傾倒していた印象。自分で自分を認めてあげられない人達。フェリックスの妻とか。彼女、この映画の中で1番引っ掛かった。
現代、日本人を含むアジア系はアメリカにおいて黒人以上に差別されると聞く。この作品を日本で公開し私達が観る意味を考えてしまった。高みの見物でも対岸の火事でもなく。
自分が差別されていると感じた時、それを受け入れるべきとは思わないし受け入れてはいけないと思うけど、だけど怒りを返し続けたら差別は断ち切れない。
虐げられた側の苛烈な怒りは、どうすればいいのだろう。
《SCREEN11》
配給:パルコ