エクストリームマン

ブラック・クランズマンのエクストリームマンのレビュー・感想・評価

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)
4.3
Hello, my fellow Americans.

“事実に基づく”作品でありつつ、あくまで娯楽作であり続けようとする意志に貫かれていて、その点が何より素晴らしい。そして、ジョン・デヴィット・ワシントンとアダム・ドライバーを中心とした役者のアンサンブルが見事。主人公:ロン・ストールワース(ジョン・デヴィット・ワシントン)とフリップ・ジマーマン(アダム・ドライバー)のコンビが最高なのは勿論、彼らを取り巻く警察署の面々、フリップが潜入するKKK支部の面々もそれぞれ面白い。それでいて、現在も根深く残る苛烈な差別とその結果生み出される醜悪な言葉やオブジェクトは外すことなく各所に入れ込んでいる。だからこそ、歴史の帰結としての必然が、現実が、半ば事故的に娯楽映画へと流れ込んでくるラストは衝撃的だし、本作の主題を曖昧な夢のまま終わらせる気はないというスパイク・リーの宣言でもあるのだろう。とはいえ、本作の中で特に興味深いのはそういった決然とした主張というよりは、今まで対して興味もなかった自分自身の出自をフリップ・ジマーマンが嫌でも自覚させられる場面や、クワメ・トゥーレの演説には心動かされたものの、“やられる前にやれ”といった過激な主張にはノれないロン・ストールワースのもどかしい立場やバランス感覚だろう。どちらかの極に振り切れてしまうのは簡単で、心地よいが、なんの解決にもならないどころか、大抵は新たな火種を撒き散らすだけに終わる。だからこそ、本作はデビット・デュークに“笑い”で対抗するのだ。

それにしても、『アイ,トーニャ』といい、ポール・ウォルター・ハウザーの活躍っぷりとヤバさには恐れ入る。コブラ会にも出てるらしいし、今後もどんどんヤバいやつ専業で映画出まくってほしい。