いはん

ブラック・クランズマンのいはんのレビュー・感想・評価

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)
3.4
これはあんまりにも、偏りがあるのではないでしょうか。そりゃ、KKKなんて、あんな偏見の塊のようなグループがあっていいもんか、とみんな思ってると思う。でも、この映画のように、正しい方に立って、徹底的に馬鹿にするやり方はやっぱ違うと思う。それは、あんまりにも正義の旗を振りかざしすぎているのではないでしょうか。偏見というのは、とてつもなく、色んな問題が複雑に絡み合った事象である。それを、単に一方に立って、“こいつらこんなに馬鹿らしいこと考えてるんだぜ”、的な目線で描くのはどうなんでしょうか。

あんまりこういうことを言いたくはないけどこれが脚色賞なのは納得いかない。しかもコーエン兄弟のバスターのバラードがノミネートされてた状況で。アカデミー賞は、政治やら社会情勢やらを込みにしすぎだと思う。これはまじ。もはやそれが、形式を変えた差別にも感じられるくらい。

もちろん、black lives matter やme too 運動といった、近年”流行っている”運動の初心は素敵なものだったと思う。でも、そこから起こる一連の動きにはどうしても嫌気がさしてしまう。人間というのは、素敵なことを、最低なことに変換する”素晴らしい能力”をもっているよね。
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