シュトルム凸映画鑑賞記録用改め

ブラック・クランズマンのシュトルム凸映画鑑賞記録用改めのレビュー・感想・評価

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)
3.8
チェック1100本目。しばらく黒人映画を集中的に観ていこうと思ってます、第一弾はずっと観たいと思っていたこの映画。
デンゼル・ワシントンの息子、ジョン・デヴィッド・ワシントンとアダム・ドライバーの二人の刑事がタッグを組んで、KKKに潜入捜査をするという話。
黒人刑事が電話で差別主義者の振りをして、KKKに取り入り、白人刑事が電話の主の振りをして、潜入するというあらすじだけでももう面白い。人種問題を扱うだけに単純に楽しいというのもなんですが、悪党を嵌めるコンゲームっぽくて面白い映画です。
KKKの露骨な差別心には苛々させられるものの、その中でも比較的冷静温厚だったり、差別の起点が妻への黒人の強姦事件だったり、夫の愛や居場所を求めてるだけでヘイトクライムに突き進むみたいな人間もいて、差別心さえ無ければ、普通の善人なんだろうなと匂わせるのも公平な描きぶりだと思います。
アダム・ドライバーは相変わらず肩の力の抜けた飄々とした演技で大好きなんですが、デンゼルの息子もなかなかの好演ですね。活躍が期待されます。
実在のKKK幹部をコケにする最後の方のシーンはここが一番描きたかったシーンの1つなのかなと思います。ただ、そのあとに続くドキュメンタリーパートという構成、演出には賛否があるかもしれませんね。実話ベースとはいえフィクションから引き離され現実に引き戻される感覚、トランプ批判に結び付ける手法などに違和感もあるかもしれない。ただ、フィクションの中で描かれた人種問題は現実と地続きなのだ、犠牲になっているのは黒人だけではない、というメッセージは伝わりました。