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ブラック・クランズマンのはとのレビュー・感想・評価

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)
4.2
一貫して人種差別問題を訴え続けるスパイク・リー監督の怒りと情熱が誰にでも120%伝わる。それなのに映画としての面白さが全く損なわれていない、軽快でシニカルなエンタメ作品。良い映画。脚本最高。

KKKの言動にフラストレーションがたまりまくるけど、ジョン・デヴィッド・ワシントンのチャーミングで飄々とした演技に心が軽くなる。そして、圧倒的なラストの映像が冷水を浴びせられたように私達の目を覚まさせる。これは現在進行形の出来事なのだ。

この映画がアカデミー賞にノミネートされたのは『ブラック・パンサー』も大ヒットした年で、歴史が変わる期待が会場中に溢れていた。でも結局受賞したのは『グリーンブック』。スパイク・リーが怒りのあまり会場を出たというのは有名なエピソードだけど、この映画を見たら尚更その行動が腑に落ちた。


※※※
『グリーンブック』…白人が制作したいつものwhite saivor 映画だという批評、関係者の人種差別関連の疑惑や失言が多くかなり批判された。

『ブラック・パンサー』…制作陣、出演者をほぼ黒人で固めたMCUヒーロー映画


日本人の私から見たら『グリーンブック』は普通に良い映画なんだけど、当事者たちの反応をみると手放しで褒めるのも躊躇われてしまうんですよね。色々なものの見方、視点を獲得することが大事だなと思う。
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