Punisher田中

ブラック・クランズマンのPunisher田中のレビュー・感想・評価

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)
3.9
舞台は1970年代半ばのアメリカ・コロラド州コロラドスプリングスの警察署で初の黒人警察官が誕生した。
名はロン・ストールワース。
捜査に燃えるロンは、情報部に配属され、新聞広告に掲載されていた過激な白人至上主義団体KKK<クー・クラックス・クラン>のメンバー募集に電話をかけた。
黒人でありながらも電話で徹底的に黒人差別発言を繰り返し、入会の面接まで進んでしまうが...
こうしてKKKを潜入捜査することになったロン達情報部だったが、果たして捜査は成功するのかーーー?!

リアルな緊張感を感じられる作品。
これぞ潜入捜査映画の醍醐味。
思っていたよりもコミカルに作られている本作、緊張感は本物だった。
正に""会議で失言をしてしまい、干されそうになるような緊張感""KKKの集会シーンでは常にそのような嫌な緊張感を与えてくれる。
だからこそ、他の部分はコミカルに描いていたのだろう。そのおかげで作品全体が丁度良いバランスを保てており、重く乗しかかるテーマでも楽しめた。
そして何と言っても、ロンの相棒であるフリップがある人種の設定であることもこの作品の強みで重要なポイントになっている。

この作品の魅力は黒人が未だに蔑まれている中、黒人のロンが勧善懲悪をするというところでもあるが、なんと言っても白人と黒人のどちらにも愚かな面が垣間見えたところだ。
そう、人種差別を扱った他作品よりも優れているのはどの人種も割りかし平等に描写をしていること。
主観的ではなく客観的、この描き方はあまりこういった作品を鑑賞しないからかもしれないが珍しいと感じた。
めちゃくちゃ簡単なことじゃないし単純なことじゃないけど、みんな尊重し合って生きていければいいよね。