shun

存在のない子供たちのshunのレビュー・感想・評価

存在のない子供たち(2018年製作の映画)
4.7
知り合いにすすめられたので観てみました。こりゃすごかった、、フィクションであってくれ、演技であってくれと思いますがこれが現実に起きている。

難民、不法移民の貧困を中心にレバノンのベイルートの貧困街で生きる少年を描く。
出生証明書さえない、本当に「存在のない子供」

出てくる大人みんな自分のことしか考えていない、特に母親はひどかった。あの裁判所での涙は自分の辛さを分かってもらえないことへの怒りなんだろう。
自分の息子、そして娘への想いよりも「辛い環境にいる私」の主張のほうが強いんだと思う。

児童婚やプロチョイスにも触れられていましたが、この監督さん凄いなあ。
自分の伝えたいことをとことん世界にぶつける作品。ドキュメンタリーと勘違いしてしまうくらいだけどめちゃくちゃ完成度の高い「映画」として世界に投げかけることに成功してる。
ぜひこういう人がもっと認められ評価されていってほしいです。

子役もみんな上手かった。実際に登場人物と同じような境遇の演技経験の無い人が多く選ばれたそうです。
あの最後の笑顔ほど美しいものはないよなあ。でも笑顔の作り方さえ知らずに大人になる子どももいるだろうし大人になれない子どももいるだろう。
こんな世界で自分に出来ることとは...?深く心に突き刺さる映画でした
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