かぼちゃん

存在のない子供たちのかぼちゃんのレビュー・感想・評価

存在のない子供たち(2018年製作の映画)
5.0
『両親を告訴する。こんな世の中に僕を産んだから。』
この映画は放たれる台詞が胸を突き刺してくる。

12歳くらいの少年が自分を産んだ両親を訴えるというのっぴきならない状況からスタート。
物語が進行するうちに少年が置かれた現実を知ることになるのだけど、もう本当に『育てられないなら産むな!』と怒りが込み上げてくる。

親が後先考えず本能のままに子供を作り、出生届けすら出していない。
だから少年が12歳くらい、というのはあくまでも推定年齢。

息子の誕生日くらい覚えとけよってイライラするけど、この両親にとって誕生日とかどうでも良いんだろうね。
ヤバい薬を一家総出で作るわ、娘を売るわ、そんなことしなきゃ食べていけないくせに何で子沢山なのか理解に苦しむ。

生きるということがこんなにも難しい世界が現実にあって、親が生きるために子を犠牲にする家庭がある。

たった12歳の少年が生きるために必死に藻掻く姿が胸に重たくのしかかる作品。