あ

存在のない子供たちのあのレビュー・感想・評価

存在のない子供たち(2018年製作の映画)
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直視できないくらい胸が締め付けられてボロボロ泣いてしまった...途中悲しすぎて涙もでなくなった。
最初は主人公ゼインと同じように「育てられないなら子供を産むな」と思うけど、両親も似たような境遇で育って同じ道を辿っただけで貧しさから抜け出せない国の在り方がいけないのかもと思い始めたり
出生届が出されてないからこの世に存在していない人間 でも毎日必死に生きてる...まだ12.3歳の子供が学校にも通えず毎日働かされて日銭を稼ぎ両親からは罵りの言葉しかかけられず、「自分を産んだ罪」で両親を訴える...こんな辛いことがあっていいのかって冒頭から涙腺が...
万引き家族観た時も思ったけど、「家族」ってなんだろうなあとおもう
血が繋がってなくても家族のような愛情を持って暮らすこともできるし、血が繋がっていても生活していくのに必死で思いやりの欠片もなく暮らす家族も居る...
わたしは映画を観ていて結構台詞のない場面での、静かな表情や仕草だけでの演技というか、そういうところを観て感極まってしまう質で
12歳のゼインは見た目はまだ小学校低学年くらいにすら見えるけど、ふとした所作や表情が大人のそれで でも無邪気に笑った顔はまだ幼い子供なの
そういう大人びた表情や所作をするのは環境のせいだろうし、同じ年頃の子供が決して見せないであろう陰のある眼差しが凄く印象的でしたね...

身動きの取れない生活をしている人々のリアルさ...圧倒された。終わり方も凄く印象的で絶望だけじゃないのかなって思えて泣けた。
大手を振って「面白い、おすすめ!」っていうのとはまた違うけど、深く心に残る映画でした。
あ