チャチャのパパ

存在のない子供たちのチャチャのパパのレビュー・感想・評価

存在のない子供たち(2018年製作の映画)
4.5
トレーラー見てかさずっと気になってて、今月はお休みがあまり無いけど、もう今日しかない!で観に行った。

レバノンにしろシリアにしろ、文字でしか知らないボクにとって、現地の子供達のなんと過酷な生活を嫌というほど突き付けられる。

「世話をできないなら産むな」

出生届も出されてない“存在のない子供”のゼインが両親を訴える。確かに直接の原因は親にあるが、根本的には“貧困”や“無知”があり、てばその原因は?

やはり宗教とは人間にとって諸刃の剣なのでは?と改めて考えさせられるのと、社会からこぼれた人々。これは中東の「万引き家族」だな。

カメラが寄って撮る映像が多く、それがドキュメンタリーの様に見えて「ああ、赤ちゃんどうすんだよ!」とか「そいつを頼っちゃダメだ!」とハラハラというか何も出来ない無力感に打ちのめされっぱなしだ。

主人公ゼインを演じる子は、本当にシリア難民の子だそうで、深い悲しみや怒りをたたえたその瞳が切なく愛おしくもある。

貴重な時間をこの映画に費やす事が出来て良かった。この監督さんの別の作品も観てみたい。