なぜだろう、とてもいい余韻の残る映画だった
以下、その理由について考察するが
この映画は中東レバノンのスラム街で
ゼインの行きあう苦難は、どこかで読み聞きしたことのあるその辺りに哀しくも普遍的に存在してしまう問題ばかりだった
だから、観る側としても、映像として流れ込んでくることで胸が締め付けられつつも
どこかで、ああまたかと思ってしまう
ゼインは悪くないね、でも私に何ができるんだろう、1個人を救えばいいという問題ではないし…(何もできない、関係ない)
という1歩引いた遠い観客目線で私も途中までは観ていた
ゼインが諦めたような静かな眼差しでいたからというのもある
ただ、ゼインの眼差しはひとつきっかけとなる事実の判明を気に、沸きたち
それに引っ張られるように私も怒涛の感情移入、ゼインの身に起きたことを、ひいては中東スラム街の普遍的な課題を自分ごとのように感じてしまった
そして、それに立ち向かう自分なりのアクションを起こしたゼインの前向きさ、強さ、怒りに心が勝手に救われたような気がしたのだ
最後、初めてみるゼインの笑顔に、再会した母子に、良かったと思う
いまこの瞬間も全く救われていない子たちがいることはさて置いて(笑)
いい映画でした