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存在のない子供たちのsanaのレビュー・感想・評価

存在のない子供たち(2018年製作の映画)
4.6
「存在のない子供たち」
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「世話できないなら産むな」
最後の両親を告訴したシーンで12歳の少年が放った言葉 「僕を生んだ罪」
両親からの虐待、ネグレクト、出生証明書がない「存在のない子ども」

両親から言われて一番優しい言葉が「でていけ、クソガキ」

中東の貧困、人身売買、移民難民問題、宗教問題etc..あまりにも多くの情報がこの1本に詰め込まれて理解するのに時間がかかるけどとてもリアルにわかりやすく描かれている。

恵まれた環境に存在する私にはこの映画を伝えて知ってもらうしかできないのだと思うと世界の不条理さを痛感する。

今はSDGsとか、持続可能な開発目標が掲げられているけどこの映画に出てくる現実ではまだまだ程遠いようにおもう。

もちろん両親の責任感のなさにイライラするんだけれど、それ以前に多くの要因が複雑に絡み合うことでおこる貧困問題についても考えさせられる。
じゃあ環境がよかったら少年は両親を告訴せずに済んだか?と言われたらわからないけど、根本的に解決できないことが多すぎてどうしようもなくなってくる。

これは途上国だけの問題ではなく先進国についても言える内容だったとおもいます。

最後の少年の皮肉混じりな笑顔に希望と夢はあったんだろうか。。 多くの人に見てもらいたい映画でした👀

それと、この映画が満席でちょっぴり嬉しかった。
是非劇場で観ていただきたいです。
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