ときめき

存在のない子供たちのときめきのレビュー・感想・評価

存在のない子供たち(2018年製作の映画)
4.8
最後ゼインの笑顔を見たときに、はっとした。本篇2時間を通じてゼインの笑顔をみたのは初めてだったから。


どうもがいても次から次へと押し寄せる困難。生まれた場所によってこんなに違うことを、私はわかっているようでわかっていない。
実際に彼らの気持ちをそのまま理解することはできないから、私は彼らが無国籍にならざるを得ない事情や、彼らを貧困に貶める原因について考え続けなければならない。気がついて考えるために、この映画をみたんだ。


どんなにもがいても抜け出せない貧困にいて、スウェーデンへ行けば自分の部屋を持てて自分と同じ民族が助けてくれてという話を気けば、誰しもがその一縷の光に頼りたくなるに違いない。
今まで助けてくれた人からその話が来た時に、そこで疑ってかかれるかは、難しいと思う。
それが人身売買だと気づくには、身近な人から自分が売られる可能性を事前に考えていなければならない。

この映画が伝えたかった意図とは、
本編の最後のシーン、それに加えて法廷のシーンを少なくしていた理由は、
人を殺した少年で終わらせてはいけないからだと思う。

私たちはこの少年のこととだけ思うのではなく、同じ事情を抱える人の存在を知っていなくてはいけない。と、感じた。
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