こぅ

存在のない子供たちのこぅのレビュー・感想・評価

存在のない子供たち(2018年製作の映画)
4.5
'20/80

レバノンのナディーン・ラバキー監督による、
【ヒューマン・ドラマ】。

僅か12歳で裁判を起こしたゼイン(ゼイン・アル・ハッジ)。訴えた相手は自分の◯◯だ。
中東の貧民窟の物語。

冒頭の法廷シークエンス、被告からの【強烈な一言】
で心抉られる。

そこから、貧困、移民問題を絡めたゼイン君の生活、
両親への反発(妹を守りたい兄)或いは行動を回想
していき、目が離せない。

撮影や説明の無い映像は、ドキュメンタリーか⁈と
見間違うほどだ。

キャストの演技⁈もリアルだ。素に近い演技⁈。

ゼイン君は12歳でも、行動や言動は大人、いや、
子供との絶妙な【紙一重】と言うべきか、、。

犯罪事件へのミスリードにもなった⁈中盤エピソード
は、ゼイン君の旅みたいなパート(コミックリリ
ーフ有り)で、緩急(バランス)も忘れていない。

面倒見
という面では、是枝監督作品【誰も知らない】を
想起した。

それを経て、、帰結へと向かう。

クライマックスの法廷での母親の涙の訴えには、
同情し、両親にも肩入れ、感情移入して泣けたの
だが、、。

面会時の母親からのゼイン君への慰めのつもりの
一言、報告には、、。

監督は、本作の【主題、主役】を宙ぶらりんにせず、
観る者への◯先を明白に見せてくれて、、

それをしっかり【ラストショット】に焼き付けた。


『人は環境で育つ』。

本作を観たら我々は、如何に【恵まれている】かを
実感せずにはいられない筈。

そして、彼らの未来(幸せ)を祈る。
こぅ

こぅ