しちれゆ

帰れない二人のしちれゆのレビュー・感想・評価

帰れない二人(2018年製作の映画)
3.7
チャオという女のビンという男への妄執の物語
・2001年ビンは地方ヤクザのそこそこの顔役チャオはその情婦、雀荘のビンにしなだれかかるチャオ。クレオパトラみたいなおかっぱ。クラブ(ディスコ?)で『Y.M.C.A.』にのって芋洗い状態で踊る。超絶いなかくさい 。。。これがたった20年前なのか!
・2006年ビンのために人を刺したチャオが刑期を終えて出所 刑務所暮らしでイケイケさはすっかり影を潜め地味。でもしたたかに詐欺を働いたり気のいいバイク屋を騙したりしてビンの元にたどり着く。ビンにはかつての勢いはないが女はいる。チャオの手にはペットボトル。
・2017年ビンは酒の飲みすぎで脳出血 車椅子に。チャオはすっかりオバサンに。雀荘を取り仕切ってる。身体が不自由になったビンはもう自分のもの一生離さない(喜)!チャオはiphoneを所有。
・・・というふうに21世紀中国を舞台に描かれるチャオの″女の一生″彼女のおかっぱ→ゴムで縛った髪→巻き髪というのが立ち位置を表して分かりやすい。この間には北京五輪・新幹線開通。この2人も中国の近代化からは取り残された側なのだなあ、中国には彼らの世界とは別物の華やかな社会もあってその2つは線路のポイントみたいに分岐して更に離れていくのだなあ、と思う。
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