ひでG

バハールの涙のひでGのレビュー・感想・評価

バハールの涙(2018年製作の映画)
4.0
これは観るべき映画の一つだと思う。

日本でも公開され、それを配信で自宅で
観ることができる。

ここで描かれる出来事は、2014.15に起きたことである。

現在社会、私たちが生きている同世界の
出来事として、知っておくべきことだと
僕は思う。

イラクのクルド自治区、シンジャルという
山岳地域に住む主人公ババール。

彼女は、クルド自治区で弁護士として、
夫と息子と暮らしている普通の市民だった。

ある日、ISに町が襲撃されるまでは、、

ネットでちょっとだけ調べてみた。

ババールたちが信仰しているヤズディ教徒

この宗教は、比較的アメリカ寄りとされ、
他宗教やISのターゲットとなってきたそうだ。

ISによる襲撃と虐待、特に女性や子供に対する容赦ない性や暴力の攻撃は、
目を覆うくらいの悲惨さだ。

これもネット調べだが、50万人が街を脱出し、それができなかった市民は、殺害されるか、奴隷となっていった。

性の奴隷となり、やがて、人身売買されたババールたちは、援助者の助けてを借りて
ISから脱出する。

回想のカタチで見せられたババールたちの壮絶な過去。

脱出したババールは、抵抗部隊の女隊長となっている。

物語は、彼女たちを報道するジャーナリストのマチルドとババールとの交流も描きながら、最大の作戦に突入していく。

先に書いたように、今を生きる知識人として知っておくべき、観るべき作品だと思う

しかし、そんな大上段に構えなくても
サスペンス作品としても、十分楽しめる?
とってもハラハラするし、

何よりババールがカッコいい!

こんなカッコいい女性戦士は、
「マッドマックス・怒りのデスロード」の
フュリオサ以来!

静寂と戦闘

家族の思い出と殺戮の傷

仲間との魂の絆と徹底的な憎しみ

そして、生と死

両極の中で、まさに死に物狂いで、生を
勝ち取るババールたち。

ここに描かれている世界は、どこまで真実なのか、もっともっと悲惨な世界だったのかもしれない。

でも、命懸けで、ババールたちの姿を
伝えようとしたジャーナリスト・マチルドと同じように、

この作品によって、知らせてくれたこと
は、それだけで価値があると、僕は思う。

もっと評価されていい映画だと、僕は思う
ひでG

ひでG