Yukiko

バハールの涙のYukikoのレビュー・感想・評価

バハールの涙(2018年製作の映画)
4.0
2019年9月14日
『バハールの涙』  
      2018年スイス・フランス・ベルギー・ジョージア制作
監督、エヴァ・ウッソン。

弁護士のバハール(ゴルシフテ・ファラハニ)は
夫と息子の3人で、故郷のクルド人自治区に行った。
その時、IS(イスラム過激派組織)の襲撃を受けて、
父も夫も殺される。
息子は連れ去られ、バハールは性奴隷として売られる。
しかし、テレビでバハールの恩師がそのような女性の
救出活動をしているのを知り、隠れて連絡を取り合って
出産間近の仲間と逃げ出すことが出来た。
そしてバハールは、ISに対抗する戦闘部隊を結成する。


この映画は、2014年にイラク北西部の山岳地帯に住む
ヤズディ教徒を、ISイスラム過激派が襲撃した事件が
元となっているとのこと。

映画はリアルで、実際にこのようなことがあっても
おかしくない。
虐げられた女性達よ、立ち上がれ!

この時代に、女だけが性奴隷で売買されるだなんて、
ISの後退した考え方を不思議に思う。
ISの男性兵士は、女性から殺されたら天国へ行けない
と本気で思っていると。

IS……イスラム過激派とは、自分たちの理想を
イスラム教により理論化し、そのような社会の実現を
図るために武力・暴力の使用を容認する戦闘的な組織
の総称。

暴力で目的を成し得ようとする考え方を忌み嫌う。
暴力は更に大きな暴力を生んで、結局戦争になってしまう。
そのような戦いに身を投じて、折角この世に生まれても
命を無駄にさせるだけ。
武器商人を儲けさせるだけ。

ゴルシフテ・ファラハニさんの眉の太さに、
強い意志を感じる。
おきれいな方だ。
Yukiko

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