Risa

イメージの本のRisaのネタバレレビュー・内容・結末

イメージの本(2018年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

先週観たんです。
この映画に関してある意味、どれだけ書いたってネタバレとは言えないと思うんですけど、一応ね。

走馬灯かと思えました。

見覚えのあるシーンが、沢山編集されているではありませんか。
印象強い映像過ぎて、強烈過ぎる『ソドムの市』『ゴダールの決別』『軽蔑』『フリークス』、、etc
パゾリーニの『アラビアンナイト』の映像はいくつかのシーンが何度もリピートされました。出てくるだけで、胸が苦しくなるのは、そのシーンを知っているだけではなく、その前後の物語まで知っているからな訳で、、
ぶつ切りぶつ切りぶつ切りにする画面の切り替え方や、美しい音楽を暴力的にぶつ切るやり方もパゾリーニの映画を思い出します。
アンゲロプロスの『霧の中の風景』が出てきた時は実際に見た時よりも泣きそうになりました。また観なければいけません。

絵画もいくつか挟み、作者不明の有名作品『ガブリエル・デストレとその妹』乳首をつまんでいる絵画です。懐妊を意味しています。
絵画も、言葉では語ることの許されないことを表現する場であったりした訳で、、映画のアーカイブには戦争ものを多様してありました。
不謹慎なものをそれらしく表現する場というのは確かに必要なもの。
それらしくする作業は芸術的な部分。
不謹慎でも、見れるものにする。
嫌なだけのものは誰も選んで見ない。
言葉ではうるさい、聞きたくも、読みたくもないものさえ、見れるものになり得る。

音楽のサンプリングのように、抽象的で、音楽的。
映画とはなんなのかを突き止めたいのか、映画の表現は、音のついた映像では終わらなく、その先の背景やストーリー、歴史総てのアーカイブ。

其々の映画の凄さが元々あるので、もう、重いのなんの。

それを、ぶつ切りぶつ切りぶつ切り、なんて乱暴な突きつけ方。
この歳にして、未だパッションが凄いというのか、進化した世の中がつまらな過ぎてイライラしていると言う感じの、、

これは映画の暴力?

もっともっと沢山の映画を観て、またこの映画を観たいです。
あのアーカイブが全部知っている映画になった時、何を感じるのでしょう。

兎に角、パッションを感じます。
なんだか、喝を入れられました。
年齢を重ねる度に、何事も大人なのだからクールにこなす、というのを世の中に求められますが、純粋さを失ったものになってはいけない気もしました。
その辺の爺さんとは大違いであることは一目瞭然。激しさを増したのは子供返りの部分かな。
Risa

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