ドッグマンの作品情報・感想・評価(ネタバレなし)

「ドッグマン」に投稿された感想・評価

nana

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ローマで1980年代に実際に起きた事件を基に作られたイタリア映画。
マッテオ・ガローネ監督の作品は初めて観ました。
過去作『ゴモラ』とか、ゴジラとモスラを合わせたような、怪獣映画…と思ったけれど普通に恐ろしい犯罪組織の映画みたいだし、カンヌでグランプリもとってるみたいだし、機会があれば観てみようと思います。

ドッグサロンで働く男性、マルチェロ。
マルチェロ・フォンテという俳優さんが演じているそうですが、彼の猫背っぽい佇まいとか声とか、まさに気弱で断れない性格の優しい男性!という感じでした。
そんな彼とは正反対の人間に思える友人(?)シモーネ。
俳優さんはかなり増量したらしいですが、もう近くに来るだけで絶対恐いし、可能ならば人生で関わりたくないタイプの人間。
でも、マルチェロとシモーネは腐れ縁?なのか、何かと一緒にいてはマルチェロがシモーネのわがままに付き合わされています。

もうそんな最低な奴ほっとけばいいじゃんとか、何でマルチェロは言うこと聞いちゃうんだろう、関わっちゃうんだろうとか思ってしまうのですが、でも現実に、この人に言われると断れないんだよな…とか、やめときゃいいのにって自分でも思うのに会っちゃうんだよな…(あと単純に今ここで言うこと聞かないと後が恐い)とか、そういうことって誰でも、偏見かもだけど男性同士は特にあり得ると思うし、今作で描いていることはハードだけど、誰もが身に覚えのある普遍的な人間関係の物語だと思いました。

一応、マルチェロとシモーネの間に本当に友情っぽいものがあるところ、2人が一緒にいて本当に楽しそうにしているところもあるのがミソです。

とは言えもういい大人は学年とか学級とかある訳でもないし、自分の豊かな人生を守るためにも、礼儀とか人を尊重する気持ちが全くない人と無理に付き合うのは絶対精神衛生上良くない!自分へのメリットがなさすぎる!
それなら、人と全く会わなくても、可愛い犬に囲まれた生活の方が何倍も幸せなのです。
Shockman

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3.5
備忘録

後味の悪さ。華やかさの無いイタリアの場末感は、現代映画で初めて見たかもしれない。
rhum

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3.5
奇妙な共依存関係にある2人のおっさんを描いた、一種のジャイのび物。
まぁジャイがめちゃくちゃやることで地域社会の皆様が迷惑するというひでえ話だが、犬がたくさん出てきて和む。…と思ったら、重要な場面には必ず犬がおり、犬の視線がある。そう。愚かな人間たちを!イッヌは!ちゃんと見ている!!!
5

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街と人。
andhyphen

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3.9
2018年のカンヌ国際映画祭で男優賞&パルム・ドッグ賞受賞。こんなに犬出てきてパルム・ドッグ逃したら泣いちゃうね!...それはさておき。
繰り返し映し出される同じ街の光景。狭い街。近所の友人。トリマーとしての仕事も順調。離婚してるみたいだけど娘も懐いてる。いかにも平和そうな主人公マルチェロ。
しかしマルチェロの友人(...というかのび太にとっての邪悪なジャイアン?)であるシモーネは、マルチェロを散々に良い様に使う。あれでなぜマルチェロがシモーネを見切らないのか不思議だが、「腐れ縁・暴力による脅迫・口先」の三点セットで丸め込まれている感。それにしても「誰かに殺されないかな」と周囲に思われる男シモーネは激ヤバである...。
よく言えば素直、悪し様に言ってしまえばとにかく間抜けで弱く従順な男、マルチェロ。男優賞を受賞したマルチェロ・フォンテの気弱な、媚びる表情と困った顔がさもありなん...という感じで迫ってくる。とにかく表情演技が凄いのだ。
シモーネの代わりに刑務所で服役した挙句、街の皆から村八分にされ、お金も貰えない哀れマルチェロ。なぜその道をゆくのだ...というくらいの転落っぷり。
最後に立てた計画さえも間が抜けていて。シモーネを怖がっていながら、ひとときの征服感が欲しいのか、信頼があると思っているのか...のび太とジャイアンというだけでは複雑すぎる感情だ。完全に片思いというか、恋愛だったら都合の良い女扱いの筈なのに、どこまでも素直というか、都合の良い解釈に流されてしまうのだ。
結局、街の誰もが恐れてできなかったことを成し遂げてしまうのがマルチェロであり、そこで彼が見る幻影があまりにも切ない。現実は「やったな!」では済まないはずなのだが。
そして、成し遂げてしまった後のマルチェロの表情。堕ちきった後の虚無なのか。友人を亡くしたことへの哀悼か。現実に直面しつつある恐怖なのか。虚無がいちばん近い気がする。飼い主を喪った犬のような、といえば穿ち過ぎか?底なしに堕ちていくさま。
人に飼われる犬と、さらに人に飼われる人。冷凍庫に入れられたチワワは救えても、自己は救えないというのが非情だ。
ゆ

ゆの感想・評価

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ものすごく良かった 何なんだこれは…
観客が(主語でかくて申し訳ないけど、少なくともそのうちの一人である私が)望んだ通りの結末ではあったものの、厳しすぎません?違うそうじゃない感がスゴかった…

これ、市民を守る法律や警察のあり方や麻薬の取り締まりがちゃんとしてればこんなことにはならなかったと思うんだけど… イタリアの警察ってどうなってんの?証拠も何もなく逮捕ってできるもの?ありえない…

映画を観る時ってある程度「現実」に対して目をつぶっている部分があって、だから私たち観客は、現実では許されないはずのあらゆる争いや犯罪、そして殺人をもエキサイティングなものとして楽しめてしまう節があると思うんだよね それが映画というものだから 全部がそうとは限らないけど映画はエンターテイメントだしスペクタクルだから!
映画観てて行け!殺しちまえ!と盛り上がるのってまあよくあることじゃないですか?よくあることだよね?それがめちゃくちゃに裏切られた 良かったよ… すごい映画だこれ… だってあの結末を踏まえてもやっぱりあの一連のシーンは果てしなくかっこいいもん…

エンドロールがまた良かったね たいていの映画では舞台のカーテンコールみたいに物語の余韻を残しつつ物語の幕が美しく引かれていくけど、この映画のエンドロールは『ドッグマン』という物語のエンディングと我々の生きている現実がシームレスに繋がっていくような気がした 鳥がさえずり、波が寄せては返し、車が行き来し、犬が鳴く…
良かったよほんとに ギリギリ観られて良かった!
あと犬かわいい
irodori

irodoriの感想・評価

3.8
2020 2本目
主人公のこの救いようのなさが生来のものなのか、この映画に描かれている期間に至る前のどこかのターニングポイントで堕ちた結果なのかは分からないが、とにかく終始救いようがなく、「救いようがねぇ〜」って思いながら見る感じの映画、人間ある程度は自分の芯みたいなもん持っとかないと終わりますね

主演の人が最高、特に序盤の自分の悪友に関してどうすべきか近隣住民が話し合ってる時の表情と、なんといってもラストシーン
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